転売って実際いくら儲かる?月5万円を狙う人が見落とす“本当のコスト”
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女性 / 30代投稿日: 2026/05/17
結論から言うと、転売は「売上だけ見ると儲かって見える」が、「利益」と「時間」と「リスク」まで入れると、思ったほど残らないケースが多いです。
もちろん、安く仕入れて高く売ること自体は商売の基本です。小売業も、リユース業も、広い意味では「仕入れて売る」ビジネスです。
ただし、一般にイメージされる転売、特に人気商品を買い占めて高額で売る行為は、モラル面で強い反発を受けやすく、商品によっては法律や規約の問題も出てきます。
たとえばチケットについては、いわゆる「チケット不正転売禁止法」があり、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨が明示された座席指定等のチケットについて、不正転売や不正転売目的での譲受けが禁止されています。文化庁も、公式リセールサイトの利用などを呼びかけています。
また、中古品を継続的に仕入れて販売する場合は、古物営業法の対象になる可能性があります。警察庁は古物営業に関する案内を出しており、事業として中古品を売買するなら、古物商許可などの確認が必要です。
つまり、転売は「モラル的にどうか」だけではなく、
「何を扱うか」
「どのくらい継続するか」
「規約や法律に触れないか」
まで考える必要があります。
ここで大事なのは、「儲かるかどうか」を売上ではなく利益で見ることです。
たとえば、1万円で仕入れた商品を1万3,000円で売れたとします。
一見、3,000円儲かったように見えます。
しかし、実際にはここからいろいろ引かれます。
・販売手数料
・送料
・梱包材
・支払い手数料
・交通費
・仕入れに使った時間
・売れ残りリスク
・返品、クレーム対応
仮に販売手数料が10%、送料が800円、梱包材が100円かかったとします。
売上:13,000円
仕入れ:10,000円
販売手数料:1,300円
送料:800円
梱包材:100円
この時点で、残る利益は800円です。
3,000円儲かったように見えて、実際の利益は800円。
さらに、仕入れに1時間、出品・梱包・発送に30分かかっていたら、時給換算ではかなり微妙になります。
月5万円稼ごうと思うなら、この800円利益の商品を約63個売る必要があります。
63個売るには、63個仕入れて、63個出品して、63個梱包して、63個発送しなければいけません。
しかも、全部がすぐ売れるとは限りません。値下げすることもあります。売れ残れば在庫になります。カードで仕入れていれば、支払いだけ先に来ることもあります。
ここに、転売の怖さがあります。
「売れたら利益」ではなく、
「売れるまで現金が寝る」
のです。
家計目線で見ると、転売は副業というより、かなり在庫ビジネスに近いです。
在庫ビジネスで一番怖いのは、利益率ではなく資金繰りです。
たとえば、月5万円を狙って20万円分仕入れたとします。
でも、売れたのが半分だけだった場合、手元には在庫が残ります。
表面上は、
「まだ売れば回収できる」
と思うかもしれません。
しかし、家計ではその間にも、家賃、食費、通信費、保険料、クレジットカードの支払いが出ていきます。
つまり、転売で本当に見るべきなのは、
「利益率」ではなく、
「現金化までのスピード」
です。
よくある誤解は、転売を「誰でもできる簡単な副業」と考えることです。
確かに、スマホひとつで出品できる時代なので、始めるハードルは低いです。
でも、稼ぎ続けるにはかなり地味な作業が必要です。
・相場を見る
・需要を読む
・仕入れ先を探す
・偽物や不良品を避ける
・価格改定する
・梱包する
・発送する
・問い合わせ対応する
・売れ残りを処分する
これはほぼ小さな商売です。
「副業でラクに月5万円」というより、
「小さな物販事業を自分で回す」
に近いと考えた方が現実的です。
では、ケース別に見てみましょう。
ケース①:家にある不用品を売る人
これは家計改善としてかなり良いです。
モラル面の問題も少なく、在庫リスクも低いからです。
もう使っていない服、家電、本、ゲーム、家具などを売るのは、転売というより「家計の整理」に近いです。
特に、家の中の不用品を売って3万円〜5万円作るのは、現実的です。
しかも部屋が片づき、固定費や生活導線の見直しにもつながります。
ケース②:中古品を安く仕入れて売る人
これは、知識とルール確認が必要です。
中古品を継続的に売買する場合、古物商許可が必要になる可能性があります。単発の不用品販売とは違い、「仕入れて売る」を続けるなら、事業としての準備が必要です。
また、商品知識がないジャンルに手を出すと、偽物、故障品、相場下落で損をしやすくなります。
ケース③:人気商品を買い占めて売る人
これはおすすめしません。
たとえ一時的に利益が出ても、社会的な反感が強く、アカウント停止や規約違反、炎上リスクがあります。
特に、生活必需品、限定品、チケット、子ども向け商品などは、買えなかった人の不満が大きくなりやすい分野です。
短期的に儲かったとしても、長く続けるほど信用を失いやすいです。
ケース④:副業として本格的に物販をやる人
これは「転売」ではなく「物販ビジネス」として考えるべきです。
仕入れ、在庫管理、利益率、回転率、税金、許認可、帳簿、顧客対応まで含めて設計する必要があります。
ここまでやるなら、単なるお小遣い稼ぎではなく、小さな事業です。
実践アクションとして、まずやってほしいのは「1商品あたりの本当の利益」を計算することです。
計算式はシンプルです。
販売価格
− 仕入れ価格
− 販売手数料
− 送料
− 梱包材
− 交通費
− 値下げ分
= 実利益
さらに、ここに時間を入れます。
実利益 ÷ 作業時間 = 時給
この時給が、最低でも自分の本業やアルバイトの時給を上回っていなければ、「副業として効率が良い」とは言いにくいです。
たとえば、利益800円の商品に1時間かかっているなら、時給800円です。
それなら、スキルが残る副業、在宅ワーク、資格学習、発信活動、営業代行、動画編集、ライティングなどに時間を使った方が、将来の収入につながる可能性があります。
もちろん、転売・物販が向いている人もいます。
向いているのは、こういう人です。
・相場を見るのが苦ではない
・地味な作業を継続できる
・数字管理が好き
・在庫リスクを理解できる
・規約や法律を確認できる
・短期利益より信用を大事にできる
逆に、向いていないのは、こういう人です。
・すぐ現金が必要
・クレジットカードで仕入れたい
・売れ残りを抱える余裕がない
・ルール確認が面倒
・「バズってるから」で商品を選ぶ
・買い占めに抵抗がない
特に、生活費が足りないから転売で稼ごう、という入り方は危険です。
なぜなら、転売は先にお金を出す副業だからです。
仕入れた瞬間に現金は減ります。
売れるまで戻ってきません。
売れても手数料や送料が引かれます。
売れなければ在庫になります。
つまり、家計が苦しい人ほど、転売の在庫リスクに耐えにくいのです。
ここが、アルバイトや業務委託の副業との大きな違いです。
転売は、うまくいけば利益が出ます。
しかし、失敗すると「働いたのにお金が減る」ことがあります。
注意点として、税金も忘れてはいけません。
副業として利益が出た場合、確定申告が必要になるケースがあります。
「売上」ではなく「利益」で見る必要がありますが、帳簿や経費管理をしていないと、後からかなり面倒になります。
また、フリマアプリで売っているだけでも、取引量が増えると事業性があると見られる可能性があります。
だからこそ、転売を考えるなら、最初に決めるべきなのは「いくら儲けたいか」ではありません。
まず決めるべきなのは、
「何をやらないか」
です。
たとえば、
・チケット転売はやらない
・生活必需品の買い占めはしない
・子ども向け人気商品の高額転売はしない
・クレジットカードで無理な仕入れはしない
・売れ残ったら困る金額は仕入れない
・法律や規約が曖昧なものは扱わない
この線引きがないまま始めると、利益が出た時ほど判断が雑になります。
お金は大事です。
副業で収入を増やしたい気持ちも、とても自然です。
ただ、家計を良くするための副業で、信用や時間やメンタルを削ってしまうなら、本末転倒です。
転売で本当に問われるのは、
「いくら儲かるか」ではなく、
「その儲け方を続けたいと思えるか」
です。
短期的に1万円、2万円を稼げることはあるかもしれません。
でも、在庫を抱え、相場に追われ、ルールに不安を感じ、誰かの買えない不満の上に利益が乗っている感覚があるなら、それは長く続ける副業としてはかなり重いです。
一方で、不用品販売や、きちんと許認可・ルールを確認した中古品の物販なら、家計改善や小さな事業の第一歩になる可能性もあります。
大切なのは、
「転売は悪か、善か」
で単純に分けないことです。
見るべきなのは、
・何を扱うのか
・誰に迷惑をかけるのか
・法律や規約に触れないか
・本当に利益が残るのか
・自分の時間単価に見合うのか
・家計のリスクに耐えられるのか
です。
転売に興味を持つこと自体は、悪いことではありません。
むしろ、「物の価値」「需要と供給」「価格差」に目を向けるきっかけになります。
ただし、家計改善の手段として考えるなら、まずは不用品販売から始める。
仕入れをするなら、少額で試す。
継続するなら、ルールと税金を確認する。
この順番が安全です。
「儲かりそう」だけで始めると、
気づいた時には、部屋に在庫が積み上がり、カードの支払いだけが残っている。
そんな状態になることもあります。
副業は、家計を助けるためのものです。
家計を圧迫する副業になっていないか。
そこを最初に確認することが、何より大切です。
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