ラーメン二郎は本当に儲かっている?700円で山盛りでも利益が残る「行列の経営学」
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女性 / 30代投稿日: 2026/07/19
結論:店舗は儲かりやすい。ただし、本部が大儲けする仕組みではない
ラーメン二郎各店の詳しい売上や利益は公開されていないため、「1店舗で年間いくら儲かっている」と断定することはできません。
ただし、公開情報から考えると、人気店は十分に利益を出しやすい構造になっていると考えられます。
その一方で、一般的な大手チェーンのように、本部が加盟店から高額なロイヤリティーを集めて利益を拡大するモデルではありません。
ラーメン二郎の顧問弁護士によると、グループは三田本店を中心に44の加盟店を展開していますが、加盟登録料や毎月のロイヤリティーは、一般的なフランチャイズと比べて「破格」とされています。店主にも世間並み、あるいはそれ以上の生活をしてほしいという創業者の考えが反映されているそうです。
つまり、ラーメン二郎は、
本部だけが儲かるのではなく、それぞれの店主が商売を続けやすい仕組み
を目指しているのです。
①材料費は、むしろ高い
ラーメン二郎といえば、大量の麺、野菜、背脂、厚切りの豚。
一般的なラーメン店より、1杯に使う食材が多いことは間違いありません。
二郎系ラーメンは、小サイズでも麺を300グラム前後使うことがあり、厚切りのチャーシューなども含めると、原価率が40%前後になるケースもあるとされています。
一般的に飲食店では、食材原価と人件費を合わせた「FLコスト」を売上の55~60%程度に抑えることが一つの目安とされます。食材だけで40%前後かかるなら、決して簡単な商売ではありません。
つまり、二郎が儲かる理由は、材料を極端に安く仕入れているからではないのです。
②最大の強みは「高い回転率」
利益を生み出す大きな要因が、客席の回転率です。
三田本店はカウンターのみの13席。小ラーメンは700円で、一般的なラーメンの大盛り以上ともいわれる量を提供しています。
仮に、次の条件で営業したとします。
- 客席数:13席
- 1時間の回転数:1.8回
- 実質営業時間:9時間
- 客単価:800円
- 営業日数:月25日
この場合、単純計算した月商は約421万円です。
回転数が2.2回、実質営業時間が10時間なら、月商は約572万円になります。
もちろん、実際の営業時間、客単価、休業日、食材ロスなどによって数字は大きく変わります。しかし、少ない客席でも行列が途切れず、短い時間で客席が入れ替われば、売上を積み上げることができます。
二郎系では、一定のペースでまとめてラーメンを作る店舗もあり、この独特なオペレーションが高い回転率につながっていると分析されています。
③広告費をかけなくても、客が来る
通常の飲食店は、新しい客を呼ぶために広告費や販促費を使います。
しかし、ラーメン二郎には、すでに強力なブランドと熱心なファンが存在します。
実際、ラーメン二郎が取材を原則断っている理由の一つは、記事やテレビ放送の翌日にさらに行列ができ、常連客に迷惑がかかるためだと説明されています。
多くの店が「どうやって集客するか」に悩む中で、二郎は「これ以上客が増えると困る」という状態です。
広告に大きなお金を使わなくても客席が埋まることは、経営上かなり大きな強みです。
④メニューを絞り、少人数で回しやすい
ラーメン二郎は、ファミリーレストランのように何十種類もの料理を提供する業態ではありません。
提供する商品の軸が明確なため、仕込みや調理の工程を集中させやすく、店内もカウンターを中心としたコンパクトな構造です。
さらに、店主自身が厨房に立つスタイルが重視されています。
ラーメン二郎側は、多店舗を展開して現場を雇われ店長に任せ、経営者が店舗に立たなくなる形は、望む営業スタイルではないと説明しています。
オーナー自身が働くため、人件費を抑えやすい一方、店主の労働時間や身体的負担は大きくなります。
したがって、「何もしなくても利益が入ってくる商売」ではありません。
店主が現場で働くことで成立する、高収益になり得る自営業
と考える方が近いでしょう。
⑤「安いから儲からない」とは限らない
商売では、商品の価格だけを見ても、儲かっているかどうかは分かりません。
重要なのは、
価格 × 客数 × 回転率 − 経費
です。
1杯700円でも、客が途切れず、席が何度も回転し、広告費や本部への支払いを抑えられれば、十分な利益を残せます。
反対に、1杯1,500円の商品を販売していても、客が来ず、広い店舗の家賃や人件費がかかれば赤字になります。
ラーメン二郎の強さは、単に山盛りのラーメンを安く販売していることではありません。
- 高い知名度
- 強力なリピーター
- 行列が続く集客力
- 客席の高い回転率
- 絞り込まれた商品
- 現場に立つオーナー店主
- 本部に利益を吸い上げられにくい仕組み
これらが組み合わさっています。
まとめ:二郎が売っているのは、ラーメンだけではない
ラーメン二郎は、食材原価だけを見れば、決して利益率の高い商品ではありません。
それでも商売が成立するのは、行列、ブランド、リピーター、回転率という、食材以外の強さを持っているからです。
そして興味深いのは、本部が店舗数やロイヤリティー収入を最大化しようとしていないこと。
「安くてうまいラーメンを提供し、客だけでなく店主にも喜んでもらう」
その考え方が、結果的に50年以上続くブランドをつくっています。
目先の利益を最大化しないことが、長期的には最も強い商売になる。
ラーメン二郎は、そんな経営の面白さを教えてくれる存在なのかもしれません。
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